64 日ポ交流480年へ

 今春着任したヴィットル・セレーノ駐日ポルトガル大使を6月、東京・六本木の大使公邸に訪ねました。ちょうど来日していたフランシスコ・アンドレ外務副大臣を交えて、日本とポルトガルの交流について語り合いました。マカオ香港総領事などを歴任した大使は、今年3月の着任後、直接会った日本の首長としては西之表市長が初めてとのことでした。
 私からは、種子島は小さな島だが、島民は西欧と日本の歴史的な出会いを誇りに思っていること、夏の鉄砲まつりに南蛮行列もあることなどを伝えました。これに対して大使曰く、着任以来、出会った多くの日本人がふた言目には「種子島」を口にする。それほど両国にとって大事な島だ。しかし、残念なことに歴史はそこで止まっている。お互い、今の新しい交流を始めるべきだ。そんなことを熱っぽく語りました。
 1543年、種子島にたどり着いた船に乗っていたポルトガル人が火縄銃をもたらした史実はあまりにも有名ですが、その縁が現代につながっていないとの言葉に、私も胸を突かれました。コロナ禍で1年延期して実施された2021年の東京五輪では、西之表市がポルトガルのホストタウンに選ばれ、サーフィン選手らとの交流を準備していたことを紹介すると、これから新しい交流を始めようではないかと盛り上がりました。
 来年2023年は、鉄砲伝来480周年。両国交流の記念行事に国を挙げて取り組む構想が進められているそうです。西之表市は、ヴィラ・ド・ビスポ市との姉妹都市締結30周年を迎えます。セレーノ大使は、ともに480周年事業で協力しよう、ヴィラ・ド・ビスポ再訪も実現してほしい、自分も種子島をぜひ訪ねたいとにこやかに語り、私と堅い握手を交わしました。

セレーノ大使(左)とアンドレ外務副大臣とともに
=東京・六本木のポルトガル大使公邸で