33 港町に聖火ロード(2020年1月号)

 2020(令和2)年に開かれる東京オリンピックの聖火リレーが、誘致の甲斐あって種子島を走ります。鹿児島県内2日目の4月29日、西之表市の港町を駆け抜けるのは県の実行委員会やスポンサー企業が選んだ人たちであり、地元の小、中学生も含まれています。
 コースは、かつて赤尾木港と呼ばれた旧西之表港にほど近い八坂神社を起点に、国道58号を西町、東町、天神町、鴨女町へと抜け、市営グラウンドがゴールとなります。延長約2キロ。本市最大の祭りである種子島鉄砲まつりでは、南蛮行列などのパレードや祇園祭の太鼓山が練り歩く、目抜き通りです。県内通過は2日間しかなく、聖火ロードは全43市町村のうち14市町に限られ、熊毛地域では西之表市だけです。
 ところで、2018年の市民体育祭で市営グラウンドに聖火トーチが登場したのをご記憶の方もおられるでしょう。その夏、東京で開かれた、出郷者の皆さんが集まる関東種子島会の総会で、トーチメーカーの経営者から市にトーチ多数を寄贈していただきました。さっそく市民体育祭や希望する校区の体育祭などで使われ、大会の盛り上げに一役買ったわけです。
 聖火は1964(昭和39)年の東京オリンピックでは来島せず、種子島に聖火ロードが組まれるのは史上初めてです。またとない機会に子どもたちの夢をはぐくみ、故郷をPRするチャンスととらえています。
 西之表港は県内5か所の重要港湾の一つであり、熊毛地域発展へ、耐震岸壁などの防災やクルーズ船来航増などの観光はじめ産業育成を視野に、新たな港湾計画づくりに県や国との協議を進めている最中です。聖火ロードを「港町再生」の契機にしたいものです。

聖火台に点火(2018年の市民体育祭)

聖火台に点火(2018年の市民体育祭)