30 ヨーロッパの窓(2019年10月号)

 西之表市の姉妹都市ヴィラ・ド・ビスポのアデリーノ・ソアレス市長ら一行4人が8月の種子島鉄砲まつりを挟んだ6日間、種子島に滞在しました。ソアレス市長は太鼓山の法被を着て、神輿をかつぎました。
 このほか茶道、墨絵、陶芸の体験、宇宙センター、こども園の見学もした訪問の終わりに、今後の交流について話し合い、スポーツ、文化、経済などの分野で「できるところから少しずつ」と一致しました。
 一行の一人、ボディボード2017世界チャンピオンのジョアナ・シェンカーさんは子供の頃、「Praça de Tanegashima(種子島広場)」で遊んでいて、「Tanegashima」とは何だろうと、いつも疑問に思っていたそうです。この広場は市庁舎に隣接する公園で、姉妹都市盟約にちなんで設置されました。今年1月の西之表市訪問団の鉄砲隊(種子島火縄銃保存会)もここで試射演武をしています。
 シェンカーさんは「種子島の波はいい波。海水が温くてうれしい。サーフィンは夏のスポーツと思われがちですが、年間を通してできる。この素晴らしい種子島の海に世界のサーファーを呼ぶなら、私は喜んでお手伝いします」と話してくれました。
 大西洋に面したポルトガル海岸は種子島によく似ています。鉄浜、犬城、熊野、竹崎、門倉岬に至る太平洋岸の海蝕洞、風蝕崖の奇観のスケールを大きくした感じです。
 ヴィラ・ド・ビスポは北緯37度。日本なら雪国の新潟県上越市あたりに位置しますが、ユーラシア大陸の南西端であり、ヨーロッパでは温暖で風光明媚な保養地です。今後、私たちにとってポルトガルが「ヨーロッパの窓」となる予感がしています。

J・シェンカーさん@種子島

J・シェンカーさん@種子島 写真:STOKED Bodyboarding Magazine