西之表市指定文化財「上妻家雅夫妻逆修寿像」

上妻家雅夫妻逆修寿像

 

・種別

  有形文化財(古文書)

・指定年月日

  令和6年9月10日

・所在

  種子島開発総合センター鉄砲館

 本史料は、法衣をまとった男女が向かい合って座る姿を描いたもので、中央には「南無妙法蓮華経 南無日蓮大菩薩」の題目が記されています。男性像のそばに記された「浄蓮」という法号から、第22代上妻家当主・上妻実頼とその妻を表した夫妻像であると考えられます。生前に死後の冥福を願って仏事を行う「逆修」によって制作された「寿像」であり、制作年は永正10年(1513年)とされています。

 中世において夫婦を並べて描いた肖像画は極めて珍しく、東京・養玉院や京都・妙蓮寺、鹿児島・樺山家文書などに類例が見られますが、いずれも詳細な研究が待たれているものです。

 本史料は、描かれた人物や制作年が明確である点において学術的価値が高く、保存状態も良好なことから、美術史や宗教史の観点からも非常に重要な資料といえます。

 


○逆修(ぎゃくしゅ)

 現在では「生前に法号を受けること」の意味に使われる。本来は死後の往生菩薩に資するために、供養を生前に自らの手で行うことをいう。死後の追福はその利益は少なく、生前に修する逆修は功徳が大なるものであると考えられた。

 

○寿像(じゅぞう)

 その人の存命中につくっておく肖像彫刻・肖像画。

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社会教育課文化財係(種子島開発総合センター鉄砲館)
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