西之表市指定文化財「旧上妻家住宅主屋」

・種別

  有形文化財(建造物)

・指定年月日

  令和6年9月10日

・所在

  西之表市西之表9819

 

旧上妻家住宅主屋の特徴

 旧上妻家住宅は種子島の北寄り、西之表麓の南西に位置する住宅です。見通しのよい小高い丘の上に建ちます。主屋は南北二列に室を並べ、南列を接客用座敷、北列を居室とし、北列東室はもと土間とみられます。内部造作もトコ構えを板壁とするなど、地域の特徴をよく示しています。

 

国登録有形文化財建造物に

 上記の特徴が、国土の歴史的景観に寄与していると評価され、平成29年(2017)5月2日、旧上妻家住宅主屋・旧上妻家住宅門として国の登録有形文化財建造物に登録されました。

 

西之表市指定文化財に

 国登録後、西之表市教育委員会により住宅の痕跡調査が行われ、建造物を構成する材料には古式な大工道具の痕跡や工夫が随所に見受けられ、当時の島の建設技術を知る上でも大変貴重であることが判明しました。また、一部の作業方法はさらに時代を遡り、中世室町時代の工法と考えられる点が判明しました。よって、この建造物は西之表市にとって地域の特徴を示す貴重な遺構であり、歴史的価値が極めて高いことから、門ともに西之表市指定文化財に令和6年(2024)年9月10日に指定されました。

 

旧上妻家住宅の公開

 住宅(主屋)は、平成28年(2016)西之表市が取得し、平成29年(2017)から令和元年(2019)の間、期間限定で5回、一般公開を行いました。その後、住宅の耐震調査や痕跡調査を行っています。

 

旧上妻家住宅保存活用計画の策定

 西之表市教育委員会社会教育課文化財係は、住宅の調査等を行いながら、旧上妻家住宅の保存と活用のルールを定めた、旧上妻家住宅保存活用計画を令和5年(2023)3月に策定しました。

 計画で、住宅の保護の方針として住宅は住宅内で発見された棟札より、寛延4年(1751)に建築されたと考えられ、2階部分・台所・風呂・トイレなどの増築や改修により当時の姿は損なわれており、現時点で建築当初の状況を知ることは難しいですが、増築部分の撤去および復旧を検討し、2階増築前の姿に復元し保存します。                

 主要な構造及び創建当初と判断できる各部材は、材料自体の保存を行い、変更されている部分はできる限り、旧来の材質、工法を踏襲し旧状に戻して保存するとしています。(詳細は旧上妻家住宅保存活用計画に記載)

 

旧上妻家住宅の修復・復元・公開

 令和5年度(2023年度)、西之表市教育委員会社会教育課文化財係は防衛省再編交付金を活用し、住宅の創建当時の状況や改修の履歴を把握し、2階増築前の姿に修復復元するための痕跡調査や耐震対策のための調査、後世の増築部分(風呂・トイレ・台所・玄関)の撤去を行いました。また、11月には数年ぶりに住宅の一般公開を実施し、市民へ住宅の痕跡調査や屋根瓦・各部材の特徴などの説明を行いました。引き続き、痕跡調査や耐震対策に係る調査を行いながら、住宅の修復復元に着手し、地域のストーリーを発信する施設として市民に大切にされ、本市の文化財のシンボルとして広く公開活用していく計画です。

 

旧上妻家住宅ドローン画像 2022年

旧上妻家住宅主屋、門 2022年撮影

 

旧上妻家住宅の保存と活用のルールを定めた、「旧上妻家住宅保存活用計画」を策定しました。

旧上妻家住宅保存活用計画(PDFファイル:10.4MB)

 

旧上妻家住宅主屋 2024年3月

旧上妻家住宅主屋、門 2024年2月撮影

旧上妻家住宅ドローン画像 2024年3月

旧上妻家住宅主屋、門 2024年2月撮影

この記事に関するお問い合わせ先

社会教育課文化財係(種子島開発総合センター鉄砲館)
電話番号0997-23-3215
ファックス番号0997-23-3250
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