西之表市出身の漢学者 西村天囚
西村天囚とは?
西村天囚(にしむらてんしゅう)は近代日本を代表する漢学者・ジャーナリストです。本名は時彦(ときつね)、号は天囚または碩園(せきえん)。現在「鉄砲館」が建っているこの場所で、慶応元年(1865年)に生まれました。天囚は早くに父を亡くし、郷里の儒者前田豊山(まえだほうざん)に学んだ後に上京して東京大学古典講習科に入学。22歳で社会風刺小説『屑屋の籠(くずやのかご)』を出版し、一躍文名を上げました。24歳で大阪朝日新聞社に入り、後に主筆となります。朝日新聞の有名コラムとして120年続いている「天声人語」は天囚が命名したものです。44歳の時には特派員として世界一周旅行にも参加しています。
大阪在住中に天囚が最も力を入れたのは、漢学塾「懐徳堂」の顕彰と再建でした。大正5年(1916)からはその教壇に立ち、また京都帝国大学の講師も務めました。さらに大正10年からは宮内省御用掛に任命され、皇室関係の詔書を起草するなど活躍しますが、大正13年(1924)に60歳で亡くなりました。天囚の旧蔵書は、再建された懐徳堂を経由して、戦後大阪大学に寄贈され「碩園記念文庫」として収められています。

宮内省御用掛の際の大礼服を着用した西村天囚
西村天囚没後100年記念事業
令和6年(2024年)は、西村天囚が没してから100年を迎える記念の年となります。郷土の偉人、西村天囚やその師である前田豊山の事績に触れる機会を創設し、市民が偉人や偉人を輩出した郷土西之表市の良さを再認識するため、以下の3事業を実施します
1.西村天囚没後100年企画展
種子島が生んだ偉人 -よみがえる資料と精神-
令和6年7月13日(土曜日)から9月15日(日曜日)まで、西之表市開発総合センター「鉄砲館」にて企画展を開催しました。期間中は5,000人を超える来場者があり、多くの人に「西村天囚」を知ってもらうことができました。

西村天囚没後100年記念企画展チラシPDF (PDFファイル: 876.9KB)
2.西村天囚没後100年記念シンポジウム
令和6年8月31日土曜日の開催を予定しておりましたが、台風10号の影響により、以下の日程に延期し、開催することといたしました。
日 時:令和6年11月23日(土曜日)13時30分~16時30分
場 所:西之表市民会館 ホール
登壇者:湯浅 邦弘 氏 (大阪大学 名誉教授)
陶 徳民 氏 (関西大学 名誉教授)
竹田 健二 氏 (島根大学 教授)
町 泉寿郎 氏 (二松学舎大学 教授)
六車 楓 氏 (立命館大学 専門研究員)

西村天囚没後100年記念シンポジウムチラシ(延期後) (PDFファイル: 1.2MB)
3.西村天囚没後100年記念小冊子 『石碑に学ぶ種子島の歴史』
西村天囚が撰文した石碑について、原文、書き下し文、現代語訳、解説を交えた小冊子(132ページ)を発刊いたしました。完成した小冊子はシンポジウム開場でも配布を行います。また、以下のリンクよりPDFデータのダウンロードが可能です。

『石碑に学ぶ種子島の歴史』(P69まで) (PDFファイル: 17.0MB)
『石碑に学ぶ種子島の歴史』(P70から) (PDFファイル: 8.8MB)
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