高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業

  高齢者の心身の多様な課題に対応し、きめ細やかな支援を実施するため、高齢者保健事業について、広域連合と市町村が連携し、市町村において、介護保険の地域支援事業や国民健康保険の保健事業と一体的に実施できるよう、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」(以下、「一体的実施」という。)が制度化され、令和2年4月から取組が開始となりました。これは、後期高齢者の医療保険者である後期高齢者医療広域連合と市町村が協力して、後期高齢者の健康増進・フレイル※1予防に努める新たな仕組みです。

 

  西之表市では令和5年4月から健康保険課を主担当課とし、高齢者支援課や鹿児島県後期高齢者医療広域連合、地域の関係機関等と連携して、人生100年時代を見据え、高齢者が地域で健康的な生活を送ることができるよう、一体的実施事業に取り組んでいます。

事業概要

 健診や医療・介護に関するデータを分析し、高齢者に対する個別的支援(ハイリスクプローチ※2)と通いの場等への積極的な関与等(ポピュレーションアプローチ※3)を行います。

         ※1.フレイルとは;

               心身のさまざまは機能が加齢や病気などによって低下してしまった状態

         ※2.ハイリスクアプローチとは;

               リスクを持っている人を対象に行動変容を促すよう指導する活動

         ※3.ポピュレーションアプローチ;

              集団全体のリスクを低減させるような取組を指し、健康教室・健康相談・普及啓発などが該当する。

 

図

フレイルとは;心身のさまざまは機能が加齢や病気などによって低下してしまった状態

高齢者に対する個別的支援(ハイリスクプローチ)

取組項目  
口腔指導 高齢者の健康状態を把握し、オーラルフレイル(ささいな口の機能の衰え)の危険性がある方に戸別訪問を行い、口腔機能改善の指導等を行います。
重症化予防対策 健診結果やレセプト情報から、未治療のコントロール不良者や治療中断の可能性がある方に個別訪問を行い、健康状態を把握し、必要に応じて受診勧奨や保健指導等を行います。
健康状態不明者対策 医療や健診受診を行っておらず、健康状態の把握が困難な高齢者に戸別訪問を行い、健康状態を把握し、必要に応じて保健指導等を行います。

 

通いの場等への積極的な関与等(ポピュレーションアプローチ)

医療専門職が、高齢者サロンなどの通いの場に出向き、フレイル予防等に関する健康教育および相談会、地域包括支援センターと連携した元気アップ体操フォローや体力測定会などを行います。

フレイルを予防しよう!

フレイルとは、高齢期になって心身の活力が低下した状態のことです。

厚生労働省が発表したガイドラインによると、「フレイル」とは日本老年医学会が提唱した用語で、 “加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態” を表し、英語の「frailty(フレイルティ=虚弱)」から取ったものです。

フレイル

フレイルは大きく3つの種類に分かれます。

1.身体的フレイル

運動器の障害で移動機能が低下したり(ロコモティブシンドローム)、筋肉が衰えたり(サルコペニア)するなどが代表的な例です。高齢期になると、筋力は自然と低下していきます。

2.精神・心理的フレイル

高齢になり、定年退職や、パートナーを失ったりすることで引き起こされる、うつ状態や軽度の認知症の状態などを指します。

3.社会的フレイル

加齢に伴って社会とのつながりが希薄化することで生じる、独居や経済的困窮の状態などをいいます。

 これら3つのフレイルが連鎖していくことで、老い(自立度の低下)は急速に進みます。この連鎖はどこが入り口になるかは、その人次第。老いとは、決して身体の問題だけではないのです。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルとは、ささいな口の機能の衰えのことをいう「フレイルの最初の入り口」です。

オーラルフレイル

オーラルフレイルを改善するには、ささいなサインを見逃さず、早め早めの対策をすることが大事です。

 

【自分でできる、毎日できるオーラルフレイル対策】

1.歯と口をきれいに保ちましょう。

・歯みがきが基本です。歯と歯、歯と歯ぐきの間の汚れをとりましょう。

・口臭の元となる汚れをとるために舌も清潔に。

・入れ歯の場合は、入れ歯専用の歯ブラシ、洗浄剤を活用してすみずみまでみがきます。

2.食べる力を保ちましょう。

 日々の暮らしの中で、舌・ほお・唇・のどの筋肉などを意識的に大きく動かすことが大事です。

<口や口の周囲の動きをよくする体操>

  1.口を閉じたまま、ほおをふくらませたりすぼめたりします。

  2.口を大きく開けて、舌を出したり引っ込めたりします。

  3.舌を出して、上下左右に動かします。

  4.口を閉じて、口の中で舌を上下左右に動かします。

<飲み込む力を高める体操>

  1.あお向けに寝て、頭だけを持ち上げて足の親指を見ます。その体勢を30秒間保ちます。

   これを3回繰り返します。

  2.「パ」「タ」「カ」「ラ」とはっきり発音します。これを3回繰り返します。

<だ液の分泌をよくするマッサージ>全3か所、各10回ずつ行います。

  1.耳下腺:耳たぶの前、上の奥歯のあたりを、指全体で円を描くようにやさしく後ろから前方に押してマッサージします。だ液の分泌を促します。

  2.顎下腺:あごの骨の内側のやわらかい部分に親指を当て、耳の下からあごの前の方に向かって5か所ぐらいに分けて押します。

  3.舌下腺:両手の親指をそろえてあごの先端の内側に当て、軽く突き上げるように押します。

●高齢期の口の中の健康維持のためには、毎日のセルフケアと専門家によるケアの両方が必要です。かかりつけ歯科医のもとで、定期的に歯と口のチェックをしてもらいましょう。

●下記はオーラルフレイルのリスクを判定できるチェック表です。確認してみましょう。

オーフラチェック
この記事に関するお問い合わせ先

健康保険課国保年金係
電話番号0997-22-1111(内線 308、311、312、335)
ファックス番号0997-22-0295
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