27 東京五輪の記憶(2019年7月号)

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、西之表市にも五輪気運が押し寄せています。今回初めて五輪種目に採用されたサーフィンをきっかけに、本市がポルトガルのホストタウンに登録されました。姉妹都市ヴィラ・ド・ビスポ市に住む2017ボディボード世界チャンピオンのジョアナ・シェンカーさんがソアレス市長らとともに、今年8月の第50回種子島鉄砲まつりをめざして来島予定です。
 五輪の聖火リレーも熊毛地域では唯一、西之表市を通ります。聖火が種子島を走るのは史上初。コースは未定ですが、西之表の市街地を聖火が進む光景を想像すると、「もう少し道路が広ければなあ」と思わずにはいられません。
 6月にホストタウン首長会議が首相官邸で開かれ、私も出席しました。全国市長会をはさんだ翌々日は「無電柱化を推進する市区町村長の会」総会が衆院議員会館であり、これにも参加しました。防災、交通安全、景観などの観点から電線の地中化をめざす自治体が増えています。海外からの客を迎える五輪を機に市街地の基盤整備を図る積極的な動きです。
 前回の東京オリンピックは1964(昭和39)年。私は小学生でした。種子島鉄砲まつりは、西町の祇園祭と、鉄砲伝来420年を機に始まった鉄砲まつり(本市と東町の共催)が統合されて70年から回を重ねました。
 あの頃、コンクリート舗装にして間もない目抜き通りを祭りが彩りました。赤穂浪士の討ち入り装束に身を包んだ女性たち(商工会婦人部)の勇姿が鮮やかに目に浮かびます。あれから半世紀余り。東京五輪の再来を機に、街の活気を蘇らせたいと切に思います。

首相官邸に集うホストタウン首長ら

首相官邸に集うホストタウン首長ら