26 種子屋久は一体(2019年6月号)

 屋久島町新庁舎の落成式が5月18日、木の香りあふれる新庁舎で開かれました。地杉を使った木造一部2階建て。1万3千平方メートルの敷地に玄関のあるフォーラム棟(419平方メートル)、町民サービスの窓口棟(1170平方メートル)、議会棟(535平方メートル)、2階建ての事務棟(1363平方メートル)の4棟が芝生の中庭を囲み、別棟で機械室があります。議場は議会の無いときには講演会、ミニコンサートなども開くそうです。
 1階の福祉事務所カウンターわきに種子島産婦人科医院のパンフレットをこの日から置いてもらいました。鹿児島市で出産する妊婦さんが多いそうで、同じく木の香豊かな種子島の産婦人科医院も利用してもらいたいと、PRのため屋久島向けの案内資料を作りました。
 式典終了後、消防のサイレンが何度も響き渡りました。島内各所で崖崩れが発生し、通行できない道路が続出。山中に登山客多数が孤立しました。この日、気象庁は屋久島町に大雨警報を発表。「50年に一度の記録的な大雨」とする情報も発表しました。
 種子島と屋久島の1市3町は熊毛地区消防組合を組織しています。被災地での活動応援のため、西之表消防署と中種子分遣所、南種子分遣所の計7人が翌19日朝、種子島海上保安部の巡視船たかちほで屋久島に派遣され、災害出動の自衛隊、警察とともに現地活動にあたりました。関係機関の協力によって、山中の314人は同日夕、無事、下山できました。
 連日の風雨、波浪のため種子屋久航路の高速船やフェリー、空の便は欠航が相次ぎ、島民の生活の足、観光客の足がともに大きく乱れました。
 「種子島は一つ、種子屋久は一体」を改めて実感しつつ、台風シーズンを控え、気を引き締めています。

屋久島町新庁舎に種子島産婦人科医院のパンフ

屋久島町新庁舎に種子島産婦人科医院のパンフ