取り組み概要

1市2町からなる種子島は、離島であるが故に社会的課題が先鋭化しています。特に、輸送コストにより高い化石燃料に依存せざるを得ない状況や森林の3割を占める人工林の高樹齢化による環境保全機能の低下・周辺への災害リスクも高まっています。また、農業においては、一人当たりの耕作面積が少なく収益性の低さから担い手不足を生じています。

このような中、平成26年8月よりプラチナ社会を理念とし、地域資源を活用した持続的な社会システムを目指す「スマートエコアイランド種子島構想」がスタートしました。

その核となるのは、島の経済を支える基幹作物のサトウキビ及び基幹産業である製糖業です。現在、製糖工場において企業や大学の研究者等との共同により、砂糖製造のほか、未利用部分や間伐材を活用したエタノール・電力の生産によるエネルギーコスト低減、排熱利用や付加価値の高い化学製品への応用など、多面的な価値を創出し雇用と農業の収益性を向上させる新たなサトウキビ産業の確立へ向けた概念設計及び研究が行われています。

しかし、これだけでは住民が将来のビジョンとして共通の理解と意識を高めることが困難でした。そこで、健康・医療、観光、教育等といったより身近な課題にも広げたところ関心を持つ人が多くなり、主体的に地域が動き始めるようになりました。僅か2年余りの間に、15以上の大学等と連携し11以上のプロジェクトが生まれ、延べ300人以上の研究者や学生が来島し、高校生やシニアまで含めたラーニング・コミュニティが形成されています。

このように、短期間において産学公の連携によるネットワークオブネットワークスが進み、最先端の技術や仕組みが社会に受入れられることで、交流人口が拡大し、新たな価値観が創出される「学びの島」として定着が図られています。今後も、若者が地域に夢を描き、高齢者が生きがいを持って生涯活躍できる社会を目指して、連携の輪を広げたいと思います。

連携の輪イメージ
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