予防接種とは

診断

予防接種とは、ワクチン(病原体や毒素の力を弱めて作った薬液)を接種することで免疫力をつけ、病気に対する抵抗力をつけて発病を予防したり、症状を軽くしたりする方法のことです。

 赤ちゃんは、お母さんからいろいろな病気に対する免疫力をもらいますが、その免疫力は、生後8か月から12か月ごろまでに失われていきます。そのため、赤ちゃん自身が免疫力をつけなければなりません。
 この、免疫力をつけるのに役立つのが予防接種です。

 また、予防接種によって免疫をつけた人が多いほど感染症の流行を抑えることができるので、社会全体の感染症予防にも役立ちます。

予防接種の種類

 予防接種には、法律に基づいて市町村が実施する定期接種と、接種者の希望により受ける任意接種があります。

          

定期接種と任意接種
定期接種 任意接種
五種混合 インフルエンザ
四種混合  おたふくかぜ
二種混合 その他
ポリオ  
麻しん・風しん(MR)  
日本脳炎  
BCG  
インフルエンザ(B類疾病;65歳以上)  
ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)  
ヒブ   
小児用肺炎球菌   
水痘(水ぼうそう)  
B型肝炎  
成人用肺炎球菌
(B類疾病:65歳の誕生日から66歳の誕生日の前日まで)
 
ロタウイルス
(令和2年10月1日から定期接種)
 

定期予防接種の対象年齢内に受けられなかったものは任意接種となります。

ワクチンの種類

 病原体(病気の原因となるウイルスや細菌)または菌がつくりだす毒素の力を弱めてつくった薬液のことを「ワクチン」といいます。
 ワクチンには、次の3種類があります。

生ワクチン

 生きた病原体の毒性を弱めたものです。 接種すると、体の中で病原体の増殖がはじまります。 そのため、接種後は、その病気にかかったのに近い免疫をつくることができますが、発熱や発疹など、その病気にかかったときにでる症状が、軽くでることがあります。生ワクチンでは、接種してから十分な免疫ができるまで約1か月かかります。

不活化ワクチン

 病原体を殺し、毒性をなくして、免疫をつくるのに必要な成分をとりだしてつくったものです。
 病原体はすでに死んでいるので、接種しても体の中で増殖しません。そのため、何回も接種して、体に記憶させることで免疫をつくっていきます。
 接種した後、放置すると、少しずつ免疫が低下していきますので、免疫力を保つためには、一定の間隔で追加接種していくことが必要になります。

トキソイド

 菌がつくりだす毒素をとりだし、その毒性をなくしたものです。 基本的には、不活化ワクチンと同じような効果があります。

ワクチンの種類
生ワクチン 不活化ワクチン
麻しん・風しん(MR) 五種混合
(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)
BCG(結核) 四種混合
(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)
ロタウィルス 二種混合(ジフテリア・破傷風)
水痘(水ぼうそう) 日本脳炎
おたふくかぜ ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)
  ヒブ
  小児用肺炎球菌
  インフルエンザ
  B型肝炎

接種方法

接種方法について
個別接種(医療機関)
5種混合(DPT-IPV-Hib)
麻しん・風しん(MR)
四種混合(DPT-IPV)
二種混合(DT)
日本脳炎
インフルエンザ
水痘(水ぼうそう) 
B型肝炎 
BCG 
ロタウイルス
ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)

接種時期

接種時期について
種類 対象者 標準的な接種期間
五種混合 生後2か月~90か月 生後2か月~12か月
四種混合: 1期初回 (3回) 生後2か月~90か月 生後2か月~12か月
四種混合: 1期追加 生後2か月~90か月 1期初回接種(3回)
終了後12か月~18か月
二種混合: 2期

11歳~12歳

11歳(小学6年生)

麻しん・風しん(MR): 1期 生後12か月~24か月 -
麻しん・風しん(MR): 2期 就学前1年間(5~6歳) -
日本脳炎: 1期初回(2回) 生後6か月~90か月 3歳~4歳
日本脳炎: 1期追加 生後6か月~90か月 1期初回接種(2回)終了後1年後 4歳~5歳
日本脳炎: 2期 9歳~12歳 9歳~10歳
BCG(結核) 生後1歳に至るまで 生後5か月~8か月に達するまで
インフルエンザ 65歳以上 -
ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん): 3回

小学6年生~高校1年生相当の女子
【キャッチアップ接種対象】
平成9年度生まれ~平成19年度生まれまでの女性

中学1年生女子及び中学3年生の女子
ヒフ゛: 初回3回 生後2か月~60か月 生後2か月~7か月に至るまで
ヒフ゛: 追加1回 生後2か月~60か月 初回(3回)接種終了後から7か月後~13か月の期間
小児用肺炎球菌: 初回3回 生後2か月~60か月 生後2か月~7か月に至るまで
小児用肺炎球菌: 追加1回 生後2か月~60か月 初回(3回)接種終了後60日をあけた生後12か月~15か月
水痘(水ぼうそう): 初回 生後12か月~36か月 生後12か月~15か月
水痘(水ぼうそう): 追加 生後12か月~36か月 初回接種終了から6か月~12か月後
成人用肺炎球菌 65歳(65歳の誕生日から66歳の誕生日の前日まで)  

B型肝炎: 初回2回

B型肝炎:追加1回 

生後2か月~1歳に至るまで 生後2か月~9か月に至るまで

ロタウイルス(初回2回)

生後6週~24週に至るまで 生後2か月~24週に至るまで
(初回接種は出生14週6日後まで)

接種間隔

 注射生ワクチンの場合は、前回接種から27日以上あけてください。経口生ワクチン及び不活性ワクチンの場合は制限はありません。

接種前・接種後の注意事項について

接種前

  • 予防接種の必要性や副反応について説明する。
  • 母子健康手帳、予診票をもとに問診をする。

接種後

  • 接種後30分間は、急な副反応が起こることがあるので、保護者に接種会場で子どもの様子をよく観察するよう周知する。
  • 接種後生ワクチンでは2週から3週間、不活化ワクチンでは24時間は副反応の出現に注意させる。
  • 接種当日の入浴はさしつかえないが、接種部位をわざとこすらないようにさせる。
  • 接種当日は激しい運動は避けさせる。
  • 接種後は、母子保健手帳に予防接種の種類、日時、反応などを記入する。

接種を受けることができない人

  • 明らかに発熱のある人(明らかな発熱とは、37.5度が目安です。)
  • 重い急性疾患にかかっている人
  • その日に受ける予防接種によって、接種後30分以内にひどいアレルギー反応(アナフィラキシー)が出たことがある人
  • その他医師が不適当であると判断した場合

接種を受ける際に注意が必要な人

  • 心臓病、じん臓病、肝臓病や血液、その他慢性の病気で治療を受けている人
  • その日に受ける予防接種によって、以前2日以内に発熱、発疹(ほっしん)、じんましんなどアレルギーを思わす異常がみられた人
  • 今までにけいれんを起こしたことがある人
  • 今までに中耳炎や肺炎などによくかかり、免役状態を検査して異常を指摘されたことのある人
  • 今までにぜん息と診断されたことがある人
  • 接種しようとする接種液の成分に対して、アレルギーがあるといわれたことがある人

成人用肺炎球菌の予防接種について

 成人用肺炎球菌ワクチンの予防接種が定期接種となり、接種料金の一部を補助します。

 対象者

  1.  西之表市に住民票があり、65歳(65歳の誕生日から66歳の誕生日の前日まで)の方
  2.  60歳以上65才未満の方であって、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障害を有する方で身体障害者1級者である方

 実施場所
 種子島医療センター、百合砂診療所、せいざん病院 要予約

 期間
 
令和6年4月1日~令和7年3月31日

 助成額
 
一人3,000円

・金額は医療機関によって異なり、差額が自己負担となります。
・既に成人用肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)の接種を受けたことがある方は対象外です。
・ご不明な点等ございましたら保健センターすこやかまでお問い合わせください。

インフルエンザ予防接種について

 65歳以上の方を対象としたインフルエンザ予防接種が始まります。
 市では、10月初旬~翌年1月31日の期間にインフルエンザ予防接種をされた65歳以上の方を対象に助成をしています。各医療機関によって実施時間等が異なりますので、ご確認のうえ受診してください。

インフルエンザ予防接種について
医療機関名 曜日

実施時間

(午前)

実施時間(午後)

予約 お問い合わせ先
種子島医療センター(内科) 月曜日から金曜日まで 14時30分 完全予約 0997-22-0960
百合砂診療所 月曜日・水曜日・木曜日・金曜日 8時30分から11時まで 16時から16時30分まで 不要 0997-28-3901
火曜日 8時30分から11時まで
土曜日 8時30分から11時まで

助成額

一人1回のみ3,000円です。ただし、接種料金は各医療機関で異なりますのでご確認ください。

補助対象者

1.西之表市に住民票がある方で満65以上の方(接種される日に65歳の誕生日を迎えていないと対象になりません。)
2.60歳以上65歳未満の方であって、心臓・腎臓もしくは呼吸器の機能または免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する方(該当者については、保健センターより通知しています。)

接種を受ける際の注意

1.インフルエンザ予防接種は、対象者が接種を希望する場合のみ接種を行いますので、対象者の意思確認ができない場合は、原則として接種することができません。
2.接種回数は、インフルエンザワクチンを1回皮下に注射するものとされています。2回目以降は任意の予防接種となりますので、料金も全額自己負担となり、予防接種による健康被害の救済も対象外となります。
3.予診票は、各医療機関に設置していますので、各自でご記入ください。
64歳以下の方については、各医療機関へお問い合わせください。
※子どもインフルエンザ予防接種は定期の予防接種とは違い、予防接種法に基づかない任意の予防接種ですが、接種費用の一部を助成しています。

 

B型肝炎ワクチン定期接種について

平成28年10月1日から、B型肝炎ワクチンが定期接種となっています。
 B型肝炎は、B型肝炎ウイルスの感染によっておこる肝臓の病気です。ワクチンを接種することで、身体の中にB型肝炎の免疫ができます。免疫ができることで、一過性の肝炎の予防と同時にキャリアになることを予防し、また、まわりの人への感染を防ぐことが出来ます。

対象者
1歳に至るまでの間にある者(標準的な接種期間、生後2か月~生後9か月に至るまでの期間)

接種回数
3回

接種方法
27日以上の間隔をおいて、2回接種した後、第1回目の注射から139日(20週)後に3回目を接種する。

委託医療機関
種子島医療センター

接種を受ける際に注意が必要な人

  1. 母子感染予防のために抗HBs人免疫グロブリンと併用して、B型肝炎ワクチンの接種を受ける場合は健康保険が適用されるため、定期接種の対象外となります。
  2. 対象者の方には、事前に通知書を送付しますので、予診表・母子手帳を持参の上、予防接種委託機関で接種してください。

ロタウイルスワクチン定期接種について

 令和2年10月1日から、ロタウイルスワクチンが定期接種となりました。

 ロタウイルスは乳幼児に多く起こる感染症胃腸炎の一つで、ロタウイルスというウイルスが原因です。「激しい下痢や嘔吐によって脱水を起こしやすい乳幼児の胃腸炎」ともいわれています。

 まれに脳や肝臓などに影響を及ぼすこともあり注意が必要な感染症です。

 また、ロタウイルスワクチンは2種類あり、どちらも経口投与(飲む)ワクチンです。いずれも同一のワクチンで接種を完了する必要があります。

対象者

本市医療機関はロタリックス(2回経口投与)のみの対応となります。

(1価ワクチン「ロタリックス」の場合)

・生後6週~24週に至るまでの間にある方

(標準的な接種期間:生後2か月~24週に至るまでの期間)

(5価ワクチン「ロタテック」の場合)

・生後6週~32週に至るまでの間にある方

(標準的な接種期間:生後2か月から32週に至るまでの期間)

※初回接種は、生後2か月~14週6日後まで

 

対象者には事前に通知書等を送付いたしますので、予診票・母子健康手帳を持参のうえ、接種をしてください。

接種回数 2回(1価)、3回(5価)
接種費用 無料
委託医療機関 種子島医療センター(1価「ロタリックス」のみ)
接種を受ける際に注意が必要な方

1 腸重積症の既往歴があることが明らかな方、先天症管障害を有する方及び重症複合免疫不全症がある方は接種することができません。

接種を受けた後の注意事項

1 ワクチン接種後1週間程度は、便中にウイルスが排出されます。念のためにおむつ交換後など、ワクチン接種のお子さんと接した場合は手洗いを徹底しましょう。

2 異なる種類のロタウイルスワクチンと交互に接種はできません。同一のワクチンで接種を受けましょう

 

風しんの追加的対策についてのお知らせ

 風しんは、感染者の飛まつ(咳やくしゃみ、会話などで飛び散る唾液のしぶき)などによって、他の人にうつる、感染力が強い感染症です。子どもも大人もかかりますが、妊娠初期(20週以前)の妊婦がかかると赤ちゃんが先天性心疾患・白内障・難聴を特徴とする先天性風しん症候群をもって生まれてくる可能性が高くなるため、特に注意が必要です。
 国では、風しんの追加的対策として、公的な予防接種を受ける機会がなかった昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性に対して、公費で風しんの抗体検査と予防接種を実施しているところです。
 なお、令和6年中に昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた方で、抗体検査と予防接種を希望する方は随時クーポン券を発行できますので保健センターにご相談ください。

子宮頸がん(ヒトパピローマウイルス)予防接種について

 子宮頸がんの原因を予防するヒトパピローマウイルスの予防接種については、国の通知に基づき対象者へ個別通知を再開するとともに、接種が差し控えられた世代に対しても接種ができるようになりました。
 令和5年4月1日より9価のHPVワクチンも公費(無料)で接種できるようになりました。9価ワクチンの接種対象者は、2価・4価の対象者と同様で、小学校6年から高校1年生相当の女子で、標準的な接種期間として、中学1年から中学3年生の女子とキャッチアップ接種対象者(平成9年4月2日生から平成20年4月1日生)に案内しています。

子宮頸がんの概要

 子宮頸がんは、子宮の頸部(子宮の出口に近い部分)にできるがんで、最近では若い女性の発症が増えてきており、20歳代から罹患者数が増え始め30歳代までに約1,000人の女性が治療で子宮を失い、妊娠ができなくなってしまいます。
 性的接触のある女性の50%以上が生涯で一度はヒトパピローマウイルス(HPV)に感染するといわれており、HPVの感染によって、一部の人は子宮頸がんに罹患します。
 日本では、年間に約1.1万人が子宮頸がんにかかり、約2,900人が亡くなっています。
 子宮頸がんにつながるHPVの感染は、HPVワクチン接種で防ぐことができ、それにより子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐことができます。

接種方法等

ワクチンの種類 接種回数 標準的な接種間隔
対象年齢 回数
シルガード9
(9価)
初回接種時の年齢が15歳未満 2回(※) 初回接種の6か月後に追加接種
初回接種時の年齢が15歳以上 3回 初回接種の2か月後と6か月後に追加接種
ガーダシル
(4価)
全年齢共通 3回 初回接種の2か月後と6か月後に追加接種

※2回目の接種が初回接種から5か月未満となった場合は、3回目の接種が必要になります。
原則として同じ種類のワクチンで接種を完了することをお勧めします。
厚生労働省作成リーフレット(PDFファイル:3.4MB)

この記事に関するお問い合わせ先

健康保険課健康増進係(保健センターすこやか)
電話番号0997-22-1111(内線 326・327)
ファックス番号0997-22-0295
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